「沖縄ユタとノロって、どう違うの?」
沖縄の霊能力者としてイメージが強い、ユタとノロ。
一見似たような存在としてイメージされることが多いのですが、実は全くの別物。
沖縄ユタとノロの違いは
沖縄ユタは個人を助ける霊能力者であることに対し、ノロは国から任命された公的な神職者です。
この記事では、沖縄スピリチュアルの本や文献を読みあさっている私が、選ばれ方・役割・霊能力の有無・現在の活動・探し方まで、沖縄ユタとノロの違いをわかりやすく解説します。
「沖縄ユタとノロの本当の違い」を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
沖縄ユタとノロの決定的な違い!ノロは祭司、ユタは霊能者

沖縄の霊能者という似た立ち位置の為、その違いが分かりにくい「ユタ」と「ノロ」。
しかし、実際には選ばれ方や立場、仕事内容など、ユタとノロは根本的に別物です。
これから両者の違いについて、わかりやすく解説していきますが、まずはざっくりした違いを見てみましょう。
ここだけでも、沖縄ユタとノロが全く違う存在あることが分かると思います。
沖縄ユタとノロの違いが一目でわかる!表で簡単比較
沖縄ユタ | 沖縄ノロ | |
---|---|---|
主な仕事 | 霊的な問題を抱える人々の相談を受けたり 解決の手助けをする存在 | 神事や祭りを取り仕切る役割 宗教的な儀式や行事の中心的な存在 |
誰がなれる? | 自己申告制だが 神様に選ばれた人のみ。 ほとんどが女性だか男性もいる | 基本的に世襲制。 ノロ家系に生まれた女性が先祖から 継承される。 |
霊能力 | 能力の大きさに個人差はあるが 霊能力は確実にある | 神職ではあるが、必ずしも霊能力が あるわけではない |
イメージ | 民間 | 公務員 |
どうでしょうか?
比較してみると、けっこう違いがあることが分かると思います。
重要な部分としては2つ。
- 沖縄ユタが個人向けの相談役であることに対し、ノロは個人ではなく国の仕事のみ
※現在は当時と異なり、個人的な相談にのってくれるノロもいます - 沖縄ユタが100%霊能力者であることに対し、ノロは霊能力者でない場合もある
ということです。
特に、ノロが霊能力者じゃない場合もあるという部分に関しては、驚かれる人も多いと思いますが、実はそうなのです。
次のセクションで補足します。
沖縄大学の研究結果も参考にどうぞ。
沖縄県では、霊感などの特殊な能力を使って悩みを解決したり物事の判断をしたり、供養や除霊などを行う「ユタ」が存在する。実際、家庭内や仕事上の相談・元祖事(供養・位牌祭祀など祖先に関した事柄)のアドバイス・死霊供養や生霊などの邪霊の崇りの除霊などをしてほしいときに、県民の多くが相談をしに行くところである。一方で、「ユタ」と同じ役割を担っている「ノロ」の存在に気づき、「ユタ」と「ノロ」の違いについてどんな関係があるのか、また他に共通している部分はあるのか気になり、研究するに至った。
ノロは世襲制で神主のような存在!だから霊能力がなくてもOK
表で書いた通り、沖縄ユタは神様からユタになるべくして選ばれた存在であり、神様から与えられた仕事をこなすことが使命です。
神様から与えられた仕事というのは霊能力を必要とするものですので、ユタの場合は霊能力を与えられた状態で生まれてきます。
対してノロの場合は世襲制です。
ノロは神職としての役割が重視されるため、霊能力が無くても務まることがあります。
そのため、必ずしも霊能力者というわけではありません。
これは、神社やお寺の住職と似ています。
基本的に世襲制となりますが、霊能力を一切持たない人もたくさんいますよね。
たとえば、私が仲良くして頂いているご住職の話し。
住職の母親と息子さんは霊能力の高い方ですが、ご住職本人には霊能力が一切ありません。
階級はかなり高い方ですが、霊能力は全く関係が無いのです。
もちろん霊能力があるノロもたくさんいますが、あくまでも世襲制となるので絶対ではありません。
沖縄ユタとノロの歴史はこう変わった!琉球王国時代から現代まで解説

ノロは王に仕え、ユタは庶民を救う!琉球王国時代の役割
沖縄ユタとノロ。
この二つの存在は、琉球王国の時代に生まれ、それぞれ異なる役割を担っていました。
ノロは琉球王国における女性の宗教指導者です。
王府(当時の政府)に任命された神職のような存在で、村ごとや地域ごとに配置されます。
ノロの仕事は、五穀豊穣(作物の実り)や海の安全、国全体の繁栄を願うなど、神様に祈りを捧げる儀式を行うことに加え、王府の指示を地域に伝えたり、人々をまとめる役割もありました。
一方、ユタは王府から任命されるような公的な存在ではなくて、人々の悩みを聞き、神の声を通じて解決策を示す役割を持っていました。
沖縄に昔からある「医者半分、ユタ半分」という言葉の通り、病気や原因不明の体調不良で悩む人からも頼りにされる存在です。
ユタはノロと違い世襲制ではなく、神様から選ばれた存在。
一部例外もありますが、ユタになる人は「カミダーリ(神がかり)」という特別な霊現象を体験すると言われています。
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まとめると、ノロは王府のために儀式を行う公的な存在であり、ユタは庶民の悩みに寄り添う霊的なカウンセラーのような存在だったということですね。
ノロは血筋で決まる?就任までの流れと条件
ノロの地位は、琉球王国時代から厳格な血筋と王府の承認によって受け継がれてきました。
この制度は「ノロ世襲制」として確立されており、特定の家系の女性が代々ノロを務めることが決められていました。
ノロになるためには、以下のような条件がありました。
- 特定の家系に生まれること
-
ノロを輩出する特別な家柄である「祝女殿内(のろどぅんち)」の一族の女性が次代のノロとなる。
※祝女殿内の女性が必ずしも全員ノロになるわけではありません。
一族の中で、神様に使える適正が高いと認められた女性が選ばれます。 - 母系継承が基本である
-
多くの場合、ノロの娘が次のノロを継ぐことになります。
- 王府からの正式な任命をうけること
-
正式にノロとして認められるには、琉球王府からの任命が必要 。
「ノロ就任の儀式」を経ることでその地位が与えられました。※琉球王府が廃止された後は、村長や住民によって選ばれたが、公的な地位ではなくなりました。
このように、ノロの地位は、血筋と王府の管理のもとで厳格に受け継がれていました。
ユタとノロは今もいる?現代の姿と役割の変化

琉球王国時代から続くユタとノロの存在は、現代においても影響を残していますが、その役割や立ち位置は時代とともに大きく変化しました。
まずはノロについて。
琉球王国時代には国家的な役割を持っていたノロですが、明治時代の琉球処分(1879年)による王府の廃止とともに、ノロの制度は急速に衰退しました。
現在も一部地域の伝統行事を支える存在として存続はしていますが、限られた地域にのみ残っているという感じです。
公的な地位はなくなり、主に村落の長老や地域住民によって選ばれる形へと変化しました。
- ノロの世襲制が消滅し、後継者不足が深刻化
- 都市部では目立たなくなったが、一部地域では祭祀を維持
- 公的な地位はなくなった
このように、ノロはかつてのような王府に仕える存在ではなくなり、現在では地域ごとに異なる形で存続しています。
一方で、沖縄ユタは現代においても一定の影響力を持ち続けています。
ユタはもともと、人々の精神的な支えとなり、先祖供養やお祓い、祈りの儀式 なども行う存在であり、この伝統は今も受け継がれています。
ただ、時代とともに、沖縄ユタに対する捉え方は変わってきました。
かつては地域と深く結びついていましたが、現代では、ユタの驚異的な霊能力がSNSやメディアを通して広まったこともあり、個人の相談役としての側面が強まり、都市部では「占い師」として求められることが増えています。
- 病気・人間関係・仕事の悩み相談が中心
- 沖縄県外から訪れる人も増加し、観光客からの依頼もある
- メディアの影響で「占い師」として扱われることも増えている
このように、沖縄ユタにしろノロにしろ、そのあり方は大きく変わりましたが、今なお沖縄の文化や信仰に深く根付いており、それぞれの形で受け継がれ続けています。
沖縄ユタやノロに相談したい!沖縄での探し方と注意点

ノロはどこにいる?ユタとは違うノロの現実
結論からお伝えすると、今現在はノロに相談するのはとても難易度が高いです。
ノロはもともと、公的な神職者だったため、人数が限られていました。
琉球王府がなくなった後も地域で選ばれることはありましたが、時代の変化とともに人々の祭祀への関心が薄れ、ノロの役割も小さくなっていきました。
さらに、世襲制だったことで後を継ぐ人が少なくなり、王府の廃止以降、ノロの数は急速に減少しました。
今では、沖縄本島の一部地域や久高島、奄美諸島などにわずかに残るのみとなっています。
一部のノロは個人的な相談を受けてくれる場合もありますが、身近な人からの紹介が無い限りは、まず難しいです。
一方で、沖縄ユタは神様に選ばれることが必要ですが、ノロのように特定の血筋に縛られることはありません。
そのため、新たにユタになる人もおり、現在でも一定数のユタが活動を続けています。
公的な祭祀を行う役目だったノロに対し、神の声を聴いて個人に対してアドバイスをしてきたユタ。
改めて両者の役割を考えてみても、個人的な困りごとがある場合には沖縄ユタの方が適しているといえます。
「相談してよかった」後悔しない沖縄ユタの探し方と選び方
自分に合った沖縄ユタを見つけるには、口コミや体験談を参考にするのが最も効果的です。
信頼できる知人から紹介してもらえるのが理想ですが、特に沖縄県外の方には難しいことも多いため、インターネット上のリアルな口コミを活用するのがおすすめです。
地元のスピリチュアル系のお店で情報を集めたり、聖地(お寺・御嶽など)を訪れて探す方法もありますが

この方法は現地に行く必要があり、時間や手間がかかるため、実際には難しいかもしれません。
そのため、手軽にリアルな情報を集めるならネット上の口コミや体験談が有効です。
ただし、広告には注意が必要です。
特に個人で活動しているユタの中には、大々的に宣伝しているケースもあります。
純粋な口コミと広告の違いを見極め、実際の体験談をもとに判断することが大切です。
また、沖縄ユタを探す際には、以下の点も意識すると後悔しにくくなります。
- 焦って選ばない(よく調べてから決める)
- 鑑定料金が希望と合っているか(相場から大きくズレていないか・明確な料金設定かも重要)
- 自分の悩みに対して、そのユタが得意とする分野か
- 雰囲気が自分と合いそうか
ここでは簡単に説明しましたが、初心者でも失敗しない沖縄ユタの探し方を別記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
また、具体的に当たる沖縄ユタが知りたいという方へ、以下の記事では、60人以上の霊能者に占ってもらった私が自分の体験を基におすすめの沖縄ユタを紹介しています。
ぜひご覧ください。
私は、誰にも話していないことをピタリと当てられたり、予言が的中したり、第三者の外見まで具体的に霊視されたりと、たくさんの驚愕体験をしています。
本物の霊能者を探すことが出来れば、長年抱えている悩みがアッサリ解決されてしまうことも少なくありません。
沖縄ユタとノロの違いとは?神に選ばれたユタと血筋のノロ | おわりに
沖縄ユタとノロは、どちらも 神と人々をつなぐ大切な存在 です。
- ユタは神に選ばれた霊能者として、人々の悩みに寄り添い導く存在
- ノロは血筋を受け継ぎ、地域の祭祀を守り続ける神職者
時代の流れとともにノロの数は減りましたが、その祈りの文化は今も受け継がれています。
ユタもまた、昔と変わらず、多くの人の支えとなり続けています。
そんな素晴らしい存在に改めて敬意を払いながら、必要なときには適切な形で頼ることが出来ればいいですよね。
この記事が、沖縄ユタやノロについて正しく理解する手助けになれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。